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エクサスケールの衝撃|齊藤 元章

「エクサスケール・コンピューティング」によって、すべてが変わる。世界コンピュータ・ランキング消費電力性能部門「Green500」で独自技術により世界第2位を獲得した気鋭の研究開発者が描きだす鮮烈な未来。

「生活のために働く必要がない社会」の到来

人類は 、生活のために働く必要性から 、有史以来 、初めて完全に解放される日を迎える 。何かしらの最低限の労働は 、当初は一定の規模と範囲で残ることになるが 、それらも時間とともに 、エクサスケ ール ・コンピュ ーティングによって開発されて普及する 、有能で効率が極限まで高められた高機能ロボットによって短期間に置き換えられていく 。人類はついに 、悠久の歴史における夢であった 「不労 」を手にすることになる 。もちろん 、人類の生産 ・創造活動の類は 、労働とは異なるかたちで継続されていく 。生活必需品 、すなわちコモディティ化したものはすべてフリ ーとなって 、そこには対価は求められなくなるものの 、明らかな価値が存在するもの (新奇性 ・独自性 ・創造性や 、芸術 ・文化や 、安心 ・安全等 )については 、それらの価値が消失することはない 。少なくとも 、その先の特異点の段階を迎えるまでの期間は 。

「不老」と「不労」に向かって突き進む人類。コモディティ化したものは全て無料となり価値を共有できる世界。最強のベーシックインカムが浸透した世界では果たして僕らは働く意思を持つだろうか。ただでさえ、働き方改革で、働く時間を減らしていこうという機運が高まっている上、自由に生きることを選択し、週3日ぐらいしか働かない人も出ている中、「不労」はどのように浸透するだろうか。

人類が「不労」と「不老」を手にしたら貨幣経済と資本主義も、もはや無用の長物に。我々はそれでも「新しい秩序」を求めることだろう。しかし、いかに人類が特異点に近付こうとも、自然の脅威には太刀打ちできない。3.11の未曾有の大津波に対し何もできなかった時のように。

まずはエネルギーがフリーになる

超高性能蓄電池が開発されると 、具体的にはいったい 、何が変わるのであろうか 。まず 、我々が使用しているスマ ートフォンをはじめとするモバイル ・デバイスが 、軽く 、薄く 、小型になり 、長時間駆動ができて 、瞬時に充電できることが約束される 。最新のスマ ートフォンを分解すると一目瞭然であるが 、スマ ートフォン本体の大半は大容量リチウムイオン電池で占められている 。最新スマ ートフォンでは 、体積の 7割 、重量では 9割近くがリチウムイオン電池で占められるものも出てきている 。進化すればするほど 、本体に占めるリチウムイオン電池の割合は 、体積 、重量 、コスト 、ともに増えることになる 。超高性能蓄電池が開発されると 、近い将来 、おそらくは 、紙のように薄いスマ ートフォンやモバイル ・デバイスも実現されることになり 、昆虫 、究極的には蟻や蚊のように小さなマイクロデバイスですら 、時間の経過とともに間違いなく出現することになる 。次に 、電気自動車の電池性能が飛躍的に高まって 、電気自動車が非常に便利になり 、価格も十分安くなることから 、ガソリン自動車を駆逐する勢いで普及していく 。

今でも十分ハイスペックなスマホだが、これからはバッテリー性能の向上や、小型がでさらなる軽量化、薄型化が訪れるだろう。折りたためるスマホやなんかも出てきてそのスタイルは別次元に突入する。

人類が「不老」を得る日

i P S細胞の発見以後 、すでに実験室レベルでは心筋組織の生成とその拍動に成功しており 、近い将来 、自身の細胞から心臓の組織や心臓全体をつくりだして 、免疫拒絶反応が皆無の安全な自己心臓移植が実現することも期待されている 。一方 、心臓の機能の一部である洞房結節 ・房室結節による心筋収縮のための電気刺激生成機能を置換する 、 「心臓ペ ースメ ーカ ー 」は 、 1 9 3 2年に初めて発明された 。その後 、 1 9 5 0年には体外式のものが実用化され 、 1 9 5 8年には体内植え込み型が開発されて 、 1 9 6 0年代から本格的に普及して現在に至っている 。日本においても 、 2 0 1 3年には約4万台の新規埋め込みと 、約2万台の交換埋め込みが行われており 、 1年間で合計約 6万台もの心臓ペ ースメ ーカ ーが人体に埋め込まれている 。心臓の血液循環機能を置換する 「人工心臓 」については 、完全な心臓の機能を代替する完全置換型と 、患者自身の心臓の機能を支援する補助人工心臓があるが 、これらは主に心臓弁置換手術や心臓移植などの手術中や術後管理 、あるいは手術待機時に用いられるものであり 、現時点では心臓ペ ースメ ーカ ーのように 、日常生活を普通に送れるような人工心臓は 、まだ存在していない 。

僕たち人間の臓器も近い将来細胞から培養したものに置き換えられたり、機械を埋め込んだりして寿命を延ばすことになるだろう。お金さえあれば、「不老」を手に入れる日も近いのかもしれない。

次世代スーパーコンピュータのようなとてつもない演算能力のあるコンピュータの出現で、僕らの環境はものすごいスピードで変化していくだろう。その僕らが受ける恩恵の主たるものが「不老」と「不労」。エクサスケールコンピューティングによって変わりゆく世界の行く末を僕は生きて見守ることができるだろうか。

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