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現在の商店街活性化施策の限界と新たな提言とは?

あなたの街の商店街を再生させる“本当の方法”、お教えします。中目黒、大久保、中野、南堀江、三条通、玉宮通り、上乃裏通り……元気のある街の共通点とは?
<これが実態>
◎活性化事例のほとんどがウソか誇張
◎仮に商店街が活性化しても商店は儲からない
◎「まちづくり」では商店街は再生できない
“元コンサルタント”が本音で語る 現在の商店街活性化施策の限界と新たな提言とは?

消費者は商店街を見ていない

消費者は商店街をほとんど見ていないということだ。東京都内の区は人口が多く、日常の買い物に自動車を使うことがそれほど多くないため、商店街の商店での買い物が比較的なされている地域である。それでも、消費者が見ているのは、個別の商店だ。どの店が安くて、どの店の品が良くて、どの店の店主が親切かということ。その店がどの商店街にあるか、などということは誰も気にしていなかった。夏祭りなどのイベントについては、主催する商店街が意識されていた。なので、ほとんどの消費者は、商店街に対して悪い印象は持っていない。ただ、どこで買い物するかということを決めるのに、〝商店街〟はまったく考えもしない要素だったのだ。考えてみれば当たり前のことである。買い物をする立場からは、欲しい商品、サービス、そして気分良く買い物ができることが重要で、それを提供してくれるのは個別の商店だ。商店街に出かけるのは、気に入った商店がたまたまその商店街にある、それ以上の理由があるはずもない。この当たり前が、活性化事業のために商店街に深く関係している私には見えていなかったのだ。

商店街が廃れる理由はまさにここにあると僕は思う。消費者は個別の店単位で魅力的はどうか判断する。品揃えだったり価格だったり。なのに気張ってイベントを打っても、その時だけ注目が集まるだけ。イベント後の集客には繋がらない。僕はゲームセンターの店長だったので、自社の格闘ゲームの大会を開いたりしていたが、大会の時だけ遠方から人が集まるのだがその後、常連になる人はおらず、ワンゲームの値段が安い店に客は流れた。商店街も同じで、いかに個々のお店が魅力的であるかが大事。

全国に増殖する「シャッター街」

商店街は、身近な存在であるため、たいていの人はなんとなく衰退してきた理由を感じている。その際に語られることが多いのが、「ショッピングセンター犯人説」と「商店街犯人説」だ。「ショッピングセンター犯人説」は、イオングループなどに代表される大手流通企業が郊外に大型ショッピングセンターを乱立させた結果、街なかの消費が奪われ、結果として商店街が衰退したというものである。休日に買い物客の自動車で溢れかえるショッピングセンターの駐車場と、あまり人が歩かなくなった商店街を見比べると、この説の説得力が増すだろう。「商店街犯人説」は、これまで商店街が立地の良さにあぐらをかいて努力をしてこなかった結果、自滅の道をたどったというものである。品揃えが貧弱で、まともな接客もできない古びた商店が商店街にあるのを見ると、これにも説得力がある。どちらも納得できるものであるし、その両方が合わさったとも考えられるが、実は商店街の衰退の原因は、それほど単純化できるものではない。

個人商店でスケールメリットの大きいショッピングセンターに挑むのはかなり難しいと言えるだろう。僕の地元でも長く生き残っているお店は地域の飲食店に野菜などを独占的に卸している八百屋やなんかがメイン。立地も商店街から少し外れているものの、駅に近いというメリットがあるお店だ。普段は客が入っている様子はないが、飲食店との横のつながりで売り上げを維持しているようだ。

「商店街=地域コミュニティ」は説得力がない

そもそも、商店街という場で本当にコミュニティが形成されているのだろうか。なじみの店主との多少の会話はあるだろうし、知人と挨拶くらいはする。何かイベントに参加すれば、多少のコミュニケーションはなされるかもしれない。しかし、そのことが新たなコミュニティとなるということはあまり実感できない。むしろ、コミュニティが形成されているのは、子供の学校などのPTAの活動やスポーツクラブの保護者会、習いごと、公民館等で行われるさまざまな活動などである。最近では、ボランティア活動などもそのひとつだ。結果、商店街以外のほうが新たなコミュニティ形成の場になっている。

商店街=地域コミュニティだと思っているのは商店街に属する店舗だけ。消費者は商店街をコミュニティだと思ってもいないし、商店街にコミュニティを求めてもいないのが現実。そこを勘違いしているからうまくいかない。

店主は原点に立ち返り一番適した場所に出店し、時代とともに立地の性質が変わればそれに応じた場所を選んで店を移したり、立地に合わせた業態に変化させなければならない。商店は地域に必要とされる存在となることで商売を続けていくという当たり前のことに気付くべき。

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