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お金の才能|午堂登紀雄

年収というのはまちまちで、300万円の人もいれば3000万円を越す高給取りも。平等に与えられているはずの時間をどう使えばそのような違いについていけるのか?お金に対する向き合い方を考え、「貯める」「増やす」「稼ぐ」「使う」「コントロール」、5つの「お金の才能」の鍛え方を教える。

子供の教育

子供の塾や私立学校に多額のお金をかける人もいます。そのために、気軽にお金を引き出せない学資保険に入り、学費が貯まる仕組みを作る、というのも一つの方法です。しかし、学費よりも、親自身がさらに成長するために自分にお金を使うほうが有効です。なぜなら、 親が成功し、その背中を子供に見せるほうが、よほど教育効果が高い からです。子供を成功させたいと思ったら、「まず親である自分自身が成功する」ための努力をするのです。自分の力で人生を切り開く姿、逆境を乗り越えていく親の背中を子供は見て育ちます。そして、子供自身もまた、そうした親の姿を見て、自分の力で人生を切り開くことの楽しさや重要性を、潜在意識下で認識するのです。

子供の教育に熱心な人の中には、自分が叶えられなかった夢を託すという人がいる。そうではなくて、今現在あなたが成功に向かうために自己投資して成功する姿を子供に見せる方が結局子供の教育につながるという考え方。僕は子供がいないのでそんな発想はなかったが、もしいれば出来る限り自分の学歴よりも高い教育を与えたいと思ったかもしれない。でも親の姿が成功とは程遠い場合、それはあまり意味がないかも。勉強しろ、勉強しろという親が全く稼いでいなかったらそれは説得力に欠けるからだ。

ものを安く買う

モノを安く買うには、バリューチェーンの上流で買うか、バリューチェーンにかかわっている人が少ないところで買うか、バリューチェーンの間を飛ばして買うことです。特に高級品の場合はテキメンに効果があります。たとえばウエディングドレスは、ドレスショップで借りるより、韓国や中国で作ったものを買うほうが安上りです。人件費が安いために、高品質・低価格が実現できます。指輪などジュエリーは、個人のジュエリーデザイナーに発注したほうが断然安い。オーダーメードスーツも、同じ品質なら百貨店で買うよりも個人の業者に発注すれば、3分の2くらいの値段でできます。店舗などのコストがかからないからです。今や墓石も通販で売っています。これは卸業者を中抜きすることで、低価格が実現できているのです。リフォームも大手業者に依頼するより、地元の小さな工務店に直接発注するほうが安くあがります。元請となる大手業者へのマージンが発生しないからです。つまり、「それ」が どのようなプロセスで、どのような人たちがかかわって自分の手に届けられているかを知ろうと興味を持ってみる。そうすれば、バリューチェーンの間を飛ばして、安くモノを買うことができます。

僕の家の近くにはパン屋の工場があり、店頭に並ぶパンと同じものが半額以下の値段で買えるというお得な情報があり、それからはパンはそこでまとめて買うように。このように流通の上流を意識することで、安くものを買えることが多くある。ブランドもの限定ものとかをメルカリで定価より高く買うなんて愚行をやめるのも大事。

投資とは?

「投資とは、自己の財産を投下して、自己または相手の努力によって価値を高め、その対価としての利益を得ること」 です。つまり、富を生み出す行為にお金を投じる、ということです。私たちが企業の株を買えば、企業はその資金を使って工場を建てたり、原材料を仕入れたりして製品を販売します。そこで得た利益の一部が、「配当」として私たちに還元されます。預金利息も、私たちが銀行に預けたお金が、企業に融資され、そこで得られた金利収入の一部が、利息として私たちに還元されるものです。自己投資もわかりやすいでしょう。読書したり学校に通ったりすることにお金を投じて自分の価値を高め、より高い収入を得ようとする行為です。これに対して 投機とは、「自己の財産を投下して、認識の相違によって生じる価格の差、もしくは価格の変動に乗じて利益を得ること」。つまり、値動きのサヤを抜く行為にお金を投じる、ということです。短期の株の値上がり益、為替の差益、地上げによる不動産の売却益などがこれにあたります。 「認識の相違によって生じる価格の差」というのがわかりにくいかもしれません。これは、ある魅力的なモノがあり、ある人はその価値に気づいても、情報の差などによって、多くの人にはそうは映っていないという意味です。そこで、先んじてそのモノを買っておけば、みなが気づいて価格が修正されたときに、その差益を得ることができる、というものです。いわゆる裁定取引(アービトラージ)です。アートなどはその典型といえます。若き日の作者の絵画や彫刻を買っておき、有名になって周囲が認めたときに、価値が上がった作品を売却して利益を得るのです。この場合、そのアーティストがブレイクするかどうかを見抜く必要がありますが、そういう目を持った人が、利益を得ることができるわけです。

ものを買う時、自分が成長するためにそれは必要かという視点をひとつ加えるだけで一気に無駄がなくなります。外見を整えるために美容品を買ったり洋服を買うことも、最新の技術を手に入れるためにパソコンやスマホを新機種にしたりするのも自己投資。効率化に繋がり、時間を手に入れることができます。

お金に対する考え方を変えていくだけで、人生のんべんだらりと生きていた人が劇的に変わることも。これを機にお金について考えてみては?

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