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相手を満足させ、あなたの評価を上げる答え方の教科書

今日の大問題の一つ、それは人々が「質問への答え方」を知らないことだ。コミュニケーション能力に革命的な向上をもたらす最強の答え方を本書では「質問を『リープ(跳躍)』する戦術」と呼ぶ。質問が求めることだけに答えるのではなく、相手の目的にとって価値ある情報を追加して答える方法を指南する。

質問をリープする答え方の例

あなたは仕事の合間に小腹が減ったので、会社近くのカフェへ行き、好物のシナモンレーズンゲーグルを注文した。「シナモンレーズンベーグルとクリームチーズ、あとコーヒーをいただけますか?」この注文を聞いたスタッフがコミュニケーション能力に長けた有能な人物ならば、「すみません、シナモンレーズンベーグルは売り切れです」と、質問の枠に留まったまま答えることはけっしてない。なぜなら、質問をリープしてこそ、お互いの目的を達成でき、相手も満足することを知っているからだ。だから例えば次のように答えるだろう。「たった今、最後のシナモンレーズンベーグルが売り切れてしまって。ブルーベリーならば焼きたてです」最初の答えといったいどこが違うのか?

質問に対し、それ以上の答えを返す。この場合のお客が求めているであろう答えに、「ブルーベリーならば焼きたてです」という追加情報を与え提案している。好物のシナモンレーズンベーグルは買えなかったが、焼きたての他の商品が食べられるならばそれも良いだろう。お店側にとっては、ドリンクだけでなくフードも売れるし、客ももしかしたら提案された焼きたてのブルーベリーベーグルを気にいるかもしれない。カフェに限らずサービス業従事者にとって、質問をリープする能力は必須ではないかと思う。

短くまとめることの難しさ

プロジェクトマネージャークラスの54%が、最初に対面で仕事を依頼してからあまり時間が経過しないうちに、対面やメールで2回目の連絡を取っている。より上位のマネージャークラスではその割合は下がるが、それでも21%が再び連絡をする行動に出ている。なぜ2度以上連絡しなければならないのか?「部下が無能だから」と思った方は、残念ながら不正解。ほとんどの場合、部下側に罪はない。上司が依頼を繰り返さなければならない最大の原因とは、自分のメッセージが不完全だったり、組織立っていなかったりするせいだ。しばらく時間が経ってから、自分が伝えたかったメッセージについて自己反省するのは、どうも人間の常らしい。

多忙な社会ではメッセージは「短い」「早い」「シンプル」なことが良いこととされている。しかし、現実を見てみると、それは幻想であると思い知らされる。ビジネス会話や会議での発言、部下や同僚などへの指示を短くまとめることは案外難易度が高い。なので、短いメッセージで相手の理解を損ねるぐらいなら、最初から必要不可欠な内容をちゃんと盛り込んだ長さのメッセージにするのが吉。話すコミュニケーションの場合、少し長めの長さが真の王道となる。

質問をリープした答えで会話のリーダーシップをとる

あなたが質問をリープして答える限り、会話のイニシアティブを取り、あらゆる質問をさばけるし、コミュニケーションから高い成果を生み出すことが可能になるのだ。たとえ馬鹿げた質問、ポイントがズレた質問が向けられた時でさえ、あなたは虚しいやりとりを嘆く必要もない。なぜなら質問から跳躍することをマスターしたあなたにとって、質問が良かろうが悪かろうが関係なくなるからだ。極端な話、どんな質問であろうと大した問題ではなくなってしまう。

会話を進めたい方向へリープするための「スプリングボード(跳躍板)」というのが紹介されている。これはリープするのを助けてくれる、短いキーワードやフレーズのことである。例えばプレゼン終わりで次のような質問があったとする。

質問者「販売量が最も多かったのは何月ですか?」

Nさん「12月です」

これにプレゼンで盛り込めなかった情報を追加したらどうなるか?

「12月です、そして覚えておいていただきたい重要なことですが、例年この時期にはいくつかの新製品を発売しています。今年の目玉商品のひとつは‥‥」

「12月です、そしてより重要な課題ですが、最低販売量の月、すなわち2月にいかに販売を伸ばすことができるかです。すでにいくつかの取り組みを開始しておりまして‥‥」

などとなるかもしれない。「そして覚えておいていただきたい重要なことですが」「そしてより重要な課題ですが」などの橋渡しのフレーズを使って、あなたの伝えたいメッセージを追加する。

質問に対する短い答え+(そして)+橋渡しのフレーズ+あなたが伝えたいメッセージ

というのを覚えておくといいだろう。橋渡しのフレーズには他にも、「このことを別の方法で考えるとすると‥‥」「このことで思い出すのは‥‥」「私がお伝えしたいことは‥‥」などがありどれも会話を進めたい方向にリープするために使えます。しかしあまり使いすぎると、強引な印象を受けてしまう人もいるかもしれないので取り扱いには注意が必要だ。

会話の基本となる質問やなんかへ答え方。相手に対する提案を盛り込んだ問題解決型の答え方から、より自分に優位になる答え方まで、僕が苦手とする答え方に主軸を置いたコミュニュケーションの方法論がここに。

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