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「建築」で日本を変える 建築のヒントは地方にあった!

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巨大都市=メトロポリスにおいて、建築はもはや見えない巨大資本の流れを可視化する装置にすぎない、建築家は一般市民ではなく、ごく一部の巨大資本家に加担する建築の表現者としてしか見られていない。その地域独特の自然や文化、街並みや共同体は破壊され、ガラスで覆われた高層ビルやマンション、大型ショッピングモールに置き換わる。今、一度立ち止まって、都市とは異なる地方の街づくりを考え、地方を足場に、建築の意味を問い、これからの可能性を切り拓くための提案をするのがこの書籍。

大都市で繰り返される再開発

東京に限らず、大都市で繰り返される再開発は、基本的に二〇世紀初めに欧米で提唱された理想都市計画の構想に基づいて行われていると言えます。低層高密度の住宅を一掃して、高層のオフィスや住宅に建て替え、周囲に緑地や公共施設を確保しようというものです。

パリでもこういった計画は存在した。建築家ル・コルビュジエが1925年に提案した「パリ・ヴォワザン計画」がその一つだ。非衛生的で不健康な住宅群を高層オフィスや集合住宅に替え、緑化する一見素晴らしい計画だったが、パリの住民たちはその計画を受け入れなかった。住み慣れた街の歴史や環境を大切にしたいと考えたからだろう。僕の身近な地域でも東急が沿線の二子玉川ライズや渋谷の駅ビルやヒカリエなど再開発して話題のスポットとなることも多く、メディアもその宣伝に躍起になっている。新し物好きや、若者はそういったスポットに敏感で、集客に成功した地域もあるが、近くに住んでいても冷ややかで興味がない僕のような人もいる。わざわざ足を運んで買い物すると必要ないものまで店員に勧められることを考えると、現物を手にとって確かめられないデメリットはある(最近では自分にあった香水を買うためかなり浪費したww)ものの「ネットショッピングでいいや」という結論へ。

近未来の東京のイメージ

それは都市が果てしなく続く均質な格子に埋め尽くされていくグリッドの世界です。ここは限りない均質な世界なので、どこで仕事しようが、建物の北側に住もうが、南側に住もうが、二階だろうが五〇階だろうが同じ人口環境です。このように、自然を排除し、徹底的に管理された人口環境で暮らすということは、ケージに入れられた鶏が毎日卵を産めと言われているのと同じではないか。

経済発展を最優先させ、生産性や効率性を追い求めるとこういった結果になり兼ねない。みんなが恐ろしいほど均質な環境に住まうこととなり、そのような都市で生きていると、生気のないニュートラルな存在に人間が変わり果てるのではないかと危惧する。はみ出ることを嫌い周りを気にして迎合する傾向が強い世代が働き盛りの年齢になると こういったことも起こりうるのではなかろうか。

都市の繁栄は今後も続くのか

2010年頃までは都市人口よりも農村人口んほうが多かった。それが今では逆転し、2050年には都市生活者の割合は7割に達すると予測される。地球規模ではまだまだ都市へ向かって流れる傾向が強く、近代化はさらに進行していく。エネルギー消費の観点から見ると、省エネ・節電と言われていても近代化が推し進められる限りエネルギー消費量は減ることはない。

資本主義は「成長」をもっとも効率的に行うシステムですが、その環境や基盤を近代国家が整えていったのです。その資本の自己増殖を「より速く、より遠くへ、より合理的に」行わなくてはならない、というのが近代の人々が信奉してきた「信仰」です。

しかし、「より速く、より遠くへ、より合理的に」という理念で動いてきた近代資本主義は、1970年代になるとフロンティアを失い、大きな行き詰まりを迎えることになる。金利の推移で見てみても1970年代が「終わりの始まり」でありアメリカは無理に資本主義の延命策を図ります。海外の途上国との交易などの実物経済の限界をいち早く察知し、ウォール街を「中心」とする金融帝国を作り上げ、実物経済から金融経済へのシフトが行われた。

新国立競技場の再コンペティション

新国立競技場の再コンペティションは、アトリエ派建築家にとって逆風が吹く中、デザインビルド方式(公共事業においてコスト削減、後期の短縮のため、一つの企業体に一括して設計と工事を発注する方式)が採用され建設会社と設計者がチームで参加することが条件となった。

新都知事に変わり2020年東京オリンピックに向けどれだけコストを抑えられるか、手腕が問われる中、豊洲新市場の盛り土問題が急浮上。僕は都民ではないが、国民の理解が得られる形での決着を期待する。

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