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「帝王学」がやさしく学べるノート|伊藤 肇|上に立つ者が身につけるべき人間学

帝王学って耳にしたことはあるけど、どんなことを学ぶの?と疑問に思ったことはないだろうか?リーダーの条件たる現代の帝王学、人を組織し、自ら権力を握って自他のために役立てる。権力とは人を導くものである一方「腐敗する」ものでもある。そうならない為の基礎知識。

上に立つものが身につけるべき資質

政治家・経営者を問わず、上に立つ者が身につけるべき資格には4つあると、松下電器(現パナソニック)の創始者・松下幸之助はいっています。

① 使命感/仕事は金儲けの手段のみではない。仕事は生きることそのものであり、満足のいく人生のためには、悔いのない仕事をする以外ないのです。

② 無私/トップの醜態を部下は本能的に見破るものです。1000人の社員を社長は2つの目で見るが、社長は2000の目で凝視されていることを自覚し、襟を正した経営をしなければなりません。

③ 詩人(ロマン)/人間の器量は余裕から生まれます。だから、功利にのみ走らず、余裕を養うのに役立つ「風流」の道に親しむことも重要です。

④ 現実処理能力/理論や思想がいくら立派でも、行動が伴わなければ意味がありません。経済連や同友会などに顔を出して、天下国家を論じているうちに、自分の会社が危うくなるようなトップの悲喜劇もよく目にします。

カッコばかりよくて、内容が伴わないようでは、組織のトップとして失格なのは、いうまでもありません。

SNSをやっていると頻繁に〇〇社長という肩書きの若者を見かける。社長というパワーワードでフォロワーを集めてはいるものの、中身のない輩が多い。社長なんて起業すれば誰でもなれるのに世間の人はこの社長という言葉に弱すぎる。〇〇コンサルという人たちも玉石混淆。肩書きに弱い日本人、悲しいかな。

理想的人間像の追求

もう1つの空白は、理想的人間像の欠如です。

戦後、日本人は飢餓の時代、高度経済成長の時代を経て、理想的人間像といったものにも関心を向けられるようになってきました。

「理想的人間像の追求」の方法の1つに人物論があります。その人物論は、社会が大きく変わり、新しい人物が世の中から関心をひくようになったときに盛んになります。

陽明学者の 安岡正篤 も「乏しい自分の学問的経験からいっても、いわゆる指導理論とか、精神科学とかの講義はほとんど身にならなかったといっていい。それよりも、ひそかに熱する思いに駆られて、人物の研究に 耽ったことが、一番、わが長を修め、識見を養い、交友の世界を造ってゆくうえに役立った」と述懐しています。

また、財界不倒翁といわれた日本化薬会長の 原安三郎 は、人物の研究に重要なのは、「伝記を読むこと」と「伝記的人物に会うこと」の2つとしています。

「伝記を読むこと」としては、今でも読まれている海外ものとして、 ジャン・ジャック・ルソー の『 懺悔録』、 クロポトキン の『ある革命家の思い出』、『フランクリン自伝』や『ミル自伝』などが紹介されています。

「伝記的人物に会うこと」では、住友総理事だった 小倉正恒 の話を例にあげています。小倉は書生の時代から高島嘉右衛門(銀の密輸で投獄され、獄中で『易経』2巻を読破して大悟し、出獄後は横浜貿易港を完成させ、高島町、嘉右衛門町に名を残した)や勝海舟など、その時代に聳え立っている人物を訪ね歩き、剣と禅によって自己を練磨したため、歴代総理事の中でも出色の人物でした。

人物の真贋を見分けるには、そうした目を絶えず養わなければなりません。そのためにはより多くの人物にぶちあたって、真剣勝負をくり返す必要があります。

伝記や古典に親しむことは過去に学ぶこと。先人たちの失敗や成功を肌で味わうことはできませんが、空気感を掴むことぐらいなら可能です。それを現代のさまざまな状況に置き換えて実行する術を持っているか否かでずいぶん未来は変わってくる。こうした作品に触れていると自然と力が湧き出てくるという副産物的なやる気も。

帝王学というと一部の限られた権力者の子供が学ぶものと考えがちだが、一般の我々でも学び得るものは多い。特にリーダーを目指す者にとっては役に立つことだろう。

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