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興味のあることや本の感想などを綴っていく雑記Blogです。

『ユーザーイノベーション 消費者から始まるものづくりの未来』

      2020/02/15

世界最先端のイノベーション研究を豊富な事例とともに紹介。少ない費用で魅力的な製品・サービスを開発できる!「消費者の叡智」を中心に置いた新しいパラダイム。

オモチャに見える消費者イノベーション

私は企業が消費者イノベーションのアイディアを採用していない理由の一つは、企業から見て消費者イノベーションがオモチャに見えてしまうからではないか、とある時期まで思っていました。消費者が作ったものは、ものづくりのプロから見ると粗ばかり目につき、とても製品化を真剣に考える気にはなれないのではないかと思っていたのです。実際、消費者イノベーションについて実務家の方に話をする機会で、次のようなことがありました。ある日、大手自動車部品メーカーの人たちにYouTubeでMITの学生が自分で作った乗り物を乗り回している動画を見てもらったのです ★1。学生が動画の中で乗り回している乗り物は、スーパーのショッピングカートに操縦用のハンドルと簡単なエンジンを取り付けたものでした。動画を見たメーカーの人たちはニコニコ笑っています。「この自動車をどう思いますか」と質問してみたところ、そこにいる人たちの頭の上には「自動車????」という文字が浮かんでいるのが目に見えるようでした。そこで、「実はこの車は都会の駐車スペース節約のアイディアを提供しているのです」と私は説明しました。それでも、そこにいた人たちはまだ要領を得ない表情をしていました。

都会の駐車スペースのなさは深刻だ。走っている車以上に圧倒的に駐車スペースが少ない。車移動は便利だが、こうしたデメリットもあるのだ。ならば車自体を小型化すればどうか?最近では小型車として売り出されていた車種が次々と全幅、全長が拡大している傾向にある。軽自動車でも制限目一杯まで大きくしたゆとりのある大きさの車種が人気だ。そんな中都内で足として使う1人乗りや2人乗りの駐車スペースを取らない車を提案する学生たち。しかし、自動車という呪縛から逃れられない人たちにはオモチャに見え、受け入れられないようだ。

マスキングテープが「雑貨」になる

製品の完成度が高くても(企業にとって消費者のアイディアがオモチャに見えなくても)、ほぼすべてのマスキングテープのメーカーが用途変更を受け入れようとしませんでした。なぜ、マスキングテープのメーカーは消費者による用途変更を自社製品に採用しなかったのでしょうか。その点を考えるため、この事例をもう少し詳しく見てみることにしましょう。マスキングテープは建築現場などで塗装を行うときに、色を塗らない部分を保護するために該当箇所周辺に貼る粘着テープで、主に工業用途向けに販売されてきました。マスキングテープはどこに貼っても簡単に剝がせるだけでなく、用途別に青や黄色、緑といったようにさまざまな種類のカラーバリエーションがあります。 建築現場では、足場を組むのに時間がかかります。だから、塗装が終わったと思って足場を解体した後にマスキングテープの剝がし残しが見つかると、もう一度足場を組み直すことになり、大きな時間的(金額的にも)ロスが発生してしまいます。そんなことが起こらないよう、マスキングテープの色には目立つものが採用されてきたのです。日本最初のマスキングテープは、和紙を素材とするものでした。和紙は従来の素材だったクレープ紙より薄く、塗料との段差がほとんど生じないという長所がありました。しかも、手で簡単にちぎれるし、一気に引き剝がしても途中で破れたりしない強度を持っていました。マスキングテープとしてのこうした利点以外に、和紙には素材感や透け感、手でちぎったときの風合いといった特徴もありました。

マスキングテープに柄をプリントして文房具や雑貨として売り出すというアイディアには脱帽だ。現在では一本の柄の入ったマスキングテープのみならず、柄を分離して貼ったり剥がしたりできるものまで売られているというのをテレビの特集かなんかで見て、進化しているなと思った。

消費者イノベーターにとって魅力的な存在になる

製品開発のパートナーである消費者との対話をより円滑にするには、社内のイノベーション・プロセスにとって参考になるフィードバックを提供する、あるいは、提供しうる消費者の積極的な支援を検討することも重要です。消費財企業は、消費者イノベーターの関心や注目をめぐって、ライバル社と競争関係にあります。一般にユーザーは、自分たちの取組みのためのプラットフォームとして、あるいはその一部としてふさわしいものを、数ある製品の中から選択します。当然のことながら、ユーザーには、自身のイノベーションにかかった費用に対して、最も高い便益を提示するカテゴリーにイノベーションを提供しようとする傾向があります。一つのブランド、あるいはモデルがより多くのイノベーションを呼び込むと、その後のイノベーションにかかる費用が減少し、ひいてはユーザーイノベーションがさらに増えるという好循環が生まれます。

消費者とも対話を行い、ユーザーイノベーションの機会を大事にする動きは歓迎すべきだ。製品開発に一般ユーザーの意見を反映している会社は多い。消費者の叡智はあたらしいパラダイムを起こすことだってありうるのだ。消費者から始まるものづくりの未来を見つめる書籍。

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